東京ヤクルト 山田哲人はチャンスに弱いのか?!
先日マニさんから本ブログ上で「山田哲人は余りにもチャンスに弱いのではないか?」とのご質問を受けましたので、それに回答したいと思います。
私も直感的には、成績は凄いけど、「ここで打ってくれ!」と思うときにはあまり打っていないような気がしています。劣勢の時の反撃の狼煙をあげる一打が多いような。
こういう時はデータを見て客観的に判断するのが大切です。
ちなみに私がデータを追うときは、以下のサイトを参考にさせていただいています。
東京ヤクルトスワローズ公式サイト Tokyo Yakult Swallows
上2つはNPBとヤクルトスワローズの公式サイトなので、データが確実なのですが、基本的なデータしか載っていないので、マニアにはちょと物足りないものがあります。
一番下にある「データで楽しむプロ野球」は一個人なのか法人なのか分かりませんが、かなり詳しいデータを収集&公開してくれていて、プロ野球ファンにとってはありがたいデータが満載です。ご興味のある方は除いてみてください。
さてこちらが山田の年度別打率と得点圏打率の表です。
今年こそ打率に対し得点圏打率が大きく劣っていますが、ブレークした2014年、そして昨年は打率を上回っており、これだけではチャンスに弱いと言えません。
次に山田の年度別本塁打の表です。
山田は今期15本の本塁打を放っていますが、実はまだスリーラン、満塁弾は一度も打っていないんですよね。もう少し詳しく下に図表を入れました。
通算でソロ本塁打率が66%。今期は67%なので、それほどソロ本塁打率は変わらないのですが、スリーラン、満塁弾を打っていないので、「ここでの一打」という時に打っていないという印象を持つのかもしれませんね。
上表は本塁打数とそれによって稼いだ打点の掛けた合わせた数字。最下段は一本の本塁打で何打点を平均で上げているかの数値です。通算では彼が本塁打を打つと1.49点入っているのに、今年は1.33点しか入っていないことが分かります。理由は先に述べたように、複数のランナーを溜めた場面で本塁打を打っていないからです。
ではこれらの数字を他のホームラン打者と比較してみましょう。
上位5人の中ではエルドレッドのソロ本塁打率が最も高く、逆にゴメスがチャンスで本塁打を打っているのが分かります。当然ランナーが居る場面で本塁打を打っていれば打点も伸びるわけで、次表を御覧下さい。
最も本塁打で打点を上げているのは28打点のバレンティンですが、最も効率よく本塁打で打点を稼いでいるのは1.92のゴメスです。山田、エルドレッドは本塁打を打っている割には点に繋がっていないのがデータ上明らかです。
本塁打だけではなく、1本の安打がどれだけ打点に貢献したかも表に入れました。バレンティンが0.86でトップ。山田は0.55と非常に低い数字に終わっています。
最後にそもそも複数のランナーを置いて打席を迎える数はどんなものかを確認したのが下表。そりゃ、複数ランナーを置いて打席に入る機会が少なければ、必然的に打点を稼げるチャンスも少なくなるわけですから、そこの数字も確認しておきます。
機会数(ランナー1・2塁、1・3塁、2・3塁、満塁で打席を迎えた数の合計)はダントツでゴメスが一番です。そんなにゴメスの前のバッターの打率が高いわけでもないので意外でした。最もこのビッグチャンスで打っているのはビシエド。打率.367を残しており、チームが頼りにするのも分かります。山田はエルドレッドについで機会が少ないですが、得点圏打率ほど打っていないわけではありません。
結論として、現状は山田はチャンスにそれほど強くありません。
複数のランナーを置いた場面でいかに長打を増やすことが出来るかが次のステップアップになりそうです。
ではまた。