東京ヤクルトを応援するブログ+α

親子で応援している東京ヤクルトスワローズの試合内容、編成等について自由気儘に書いています。

東京ヤクルト チーム編成の現状と課題 野手編2

今回はチーム編成の現状と課題「野手編2」です。

(過去の投手編1投手編2捕手編野手編1にご興味ある方はリンクからどうぞ)

野手編1では打者の左右、また年齢構成を基に考察しましたが、今回は打者のタイプによる切り口で書きます。

まずは私の完全なるオリジナル&主観に基づいたチャートを御覧下さい。

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横軸にスピード、縦軸にパワーに関する能力を、白文字は右打者、赤文字は左打者を表しています。何度も言っておきますが、私の完全なる主観です。

というのも、一口にパワーやスピードと言っても何なのか?という定義付けは非常に難しく、身体本来の力なのか、ホームランor長打の本数なのか、見た目のゴツさなのか、走る速さなのか、盗塁をする能力なのか正確に表すことは困難です。ですので、私がホームランや長打、盗塁の数、その割合、身体づきなどを鑑み選手をチャートに振り分けました。

定義付けが曖昧だからといって、チャート化することに全く意味が無いわけではありません。おおまかにどのエリアに打者が、何人、どの年齢帯でいるのかを把握することで、チームの穴が分かり、的確な補強につながりやすいからです。どの選手がどの選手よりももう少し上ではないか、いや下だという議論はここでは意味がありません。あくまで全体を把握するためのツールです。

 

一般的には左上のセグメントに属する選手は長打力のあるスラッガー系、右上のセグメントはトリプルスリーを目指す万能型、右下は小技や走塁が得意な俊足巧打系の選手が分類されます。加齢とともにスピードもパワーも徐々に落ちていきますので、最終的にはどの選手も左下のセグメントに移動していき、完全にそのセグメントに浸かってしまうと引退や解雇ということになります。

経験を積むとともに一人の選手が属するセグメントを移動することも珍しくありません。例えば阪神の新監督に就任した金本。若手の頃は俊足で体の線も細く、右下のカテゴリーに入る選手でした。それが徐々にパワーをつけていき、トリプルスリーを達成。阪神に移籍してからはスラッガーとして長く左上のセグメントで活躍しました。

 

まず当チャートを見て気付いたのは、比較的同じようなポジションにいる選手が、左右の打ち手で分かれている所。飯原と川端、今並と田中、上田・比屋根と三輪。守備のポジションや年齢は異なりますが、チームがどのポジションにも左右両方を揃えようとしているのがなんとなく見えてきます。

 

一人右上に飛び出ている山田はある意味異常値です。そもそもトリプルスリーを達成した選手は過去に数えるほどしかいませんし、ホームラン王と盗塁王を同時に受賞したのも山田が初めてですから。彼の身体付きをみると、金本のように右下から徐々に右上に入っていくタイプだと思いますが、類まれなる技術と努力で一気に右上に上り詰めた感じです。

近年低迷している飯原は本来の力を復活させることが出来れば、右上に入ることのできる選手です。以前に書きましたが、左右の打ち手は違えども同じ外野手で同じようなポジショニングに属する坂口が入団するようですから、彼にとってはまさに正念場。

 

左上はなかなか育成するのが難しく、外国人に頼りがちなセグメントです。ヤクルトは畠山が残留してくれることになったので獲得する必要がないですが、ロッテの今江がそれほど長打力がないのにも関わらずFAで大金を払ってでも獲得しようとしている球団が複数あるというのは、その証左ではないでしょうか。

また残留する畠山も決して若くありません。育成に時間が掛かる、しかも成功確率が低いとなれば一定の割合で若手を供給する必要があります。今年のドラフトで交渉権を獲得した、渡邉大樹には将来的にここに名前が載るように期待したい所。

また野手編1で提案したように、日本ハムを退団する鵜久森、ソフトバンクを退団する白根はパンチ力があり、年俸も低いですので、化けたらラッキーくらいの気持ちで獲得してはいかがでしょう。

 

意外とヤクルトの弱点だと思っているのが右下のセグメント。ヤクルト黄金期は飯田、西武黄金期には平野、辻という守備と脚のスペシャリストがこのセグメントで活躍していました。巨人が昨年まで3連覇していた強さには、ここに鈴木という絶対的な存在があったのも忘れられません。上田、比屋根、三輪は俊足ではありますが、盗塁数は少なく、走塁のスペシャリストと呼ばれるにはまだ距離があります。山田のようにトリプルスリーを狙えとは言いませんが、せめて脚だけでは負けないという気概でこれからのトレーニングに勤しんで欲しいですね。

 

上で述べたように、左下のエリアにどっぷり浸かると、野球選手としての役割を終えることになります。片足を突っ込んでいるのが、武内、田中、森岡。(大引は守備力があるので、当面は大丈夫でしょう)武内は左上のセグメントで活躍することを期待されましたが、思ったような長打力は発揮できず、元々スピードはありません。田中、森岡は年齢が進むごとにスピードがなくなり、徐々にポジションを左に移しています。あと数年現役で頑張りたいのであれば、このチャートでは現れないバッティングの確実性や、ここ一番での集中力、守備力、小技などでアピールし、その危機を脱して欲しいものです。

 

山田二世が出てきて欲しいけど、そんな都合のいい話、なかなかないよね。

頑張れ、若手、頑張れ、ベテラン!